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笛吹川 [本]

深沢七郎著

内容紹介:生まれては殺される、その無慈悲な反復。甲州武田家の盛衰と、農民一家の酸鼻な運命。信玄の誕生から勝頼の死まで、武田家の盛衰とともに生きた、笛吹川沿いの農民一家六代にわたる物語。生まれては殺される、その無慈悲な反復を、説話と土俗的語りで鮮烈なイメージに昇華した文学史上の問題作。平野謙との<「笛吹川」論争>で、花田清輝をして「近代芸術を止揚する方法」と言わしめ、また後年、開高健をして「私のなかにある古い日本の血に点火しながらこの作品は現代そのもの」とも言わしめる

深沢七郎(ふかざわ しちろう) 1914-1987年。日本の小説家、ギタリスト。山梨県生まれ。日川中学卒。職を転々とし、ギター奏者として日劇ミュージックホールに出演。「楢山節考」が正宗白鳥に激賞され、異色の新人として注目を集めた

山梨県の土地の人の独特な語尾「、、、ごいす」が、朝ドラ「花子とアン」を思い出させます。毎年のように氾濫して流れを変える笛吹川、武田信玄が進めた治水事業、信玄堤。そんな土地に根ざして暮らす家族に死と生が巡っていく。「男家族は話し相手にならない。末娘のウメに婿が来てくれて一緒に暮らせたら、、、」と願う主婦おけいの願いも虚しく、母子5人は武田勝頼とともに命を落としてしまう。おけいは武田家に対して恨みこそあれ恩義のかけらも持っていなかったにもかかわらず、です。

1960年に映画化されていました。木下恵介監督。おじい/加藤嘉、定平/田村高廣、おけい/高峰秀子、うめ/岩下志麻、など。
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