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まぐだら屋のマリア [本]

原田マハ著

原田マハさんの本をもう一冊。悪い料理長の湯田(ユダ)、主人公の紫紋(シモン)、地塩村の断崖の上にある店「まぐだら屋」の女主人の有馬りあ(マリア)、村の女将の桐江(キリエ)、村に流れ着く丸弧(マルコ)、マリアと深く愛し合う与羽(ヨハネ)、村にある寺が名戯(ナザレ)、、、これは聖書のパロディで愉快な内容なのかな、と読み始めましたが、、、

2007年の船場吉兆事件を思い出させる話から始まります。人生の目標だった老舗料亭の料理人への道が閉ざされてしまい、好きだった女性を失い、その上かわいがっていた弟弟子を自殺させてしまった紫紋は「この世からいなくなってしまいたい」と地塩村へ来た。降り立ったバス亭が「尽果」。そして地塩村に伝わる「まぐだら」の伝説。悲しい生い立ちのマリアと与羽との愛。娘と孫娘二人同時に目の前で死なれてしまう桐江。「母親を殺してしまった」といって紫紋と同じように「尽果」バス亭に降り立つ丸弧。テーマはけして軽くはなく、人の原罪や許し、でした。

マリアと紫紋が作るお料理が、読んでいるだけで、お出汁の湯気がふんわりと、その香りもしてきそうに描かれています。
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藍色

清々しさを感じる読後感でした。
日頃の生活をリセットしたいとき読みたいです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2013-08-27 15:06) 

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