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ナチスが恐れた義足の女スパイ [本]

伝説の諜報部員ヴァージニア・ホール
A WOMAN OF NO IMPORTANCE
ソニア・パーネル著
並木均訳

内容紹介:イギリス特殊作戦執行部(SOE)やアメリカCIAの前身OSSの特殊工作員としてナチス統治下のフランスに単身で潜入、仲間の脱獄や破壊工作に従事、レジスタンスからも信頼され、第二次世界大戦を勝利に導いた知られざる女性スパイの活躍を描く実話

ソニア・パーネル エコノミスト、テレグラフ、サンデー・タイムズで勤務の後、伝記作家兼ジャーナリストとなる。デビュー作、イギリス首相ボリス・ジョンソンを描いた「Just Boris : A Tale of Blond Ambition」(2011)でオーウェル賞候補、次作チャーチルの妻クレメンティーヌの伝記「Clementine : The Life of Mrs. Winston Churchill」(2015)は、テレグラフ・アンド・インディペンデントの今年の本とプルタルコス賞に選ばれた

並木均(1963年-) 新潟県上越市生まれ。中央大学法学部卒。公安調査庁、内閣情報調査室に30年間奉職したのち、2017年に退職、独立。近訳書にケント「戦略インテリジェンス論」(共訳 原書房 2015)、ガノール「カウンター・テロリズム・パズル」(翻訳協力 並木書房 2018)、キーガン「情報と戦争」(中央公論新社 2018)、ルーデル「急降下爆撃」(ホビージャパン 2019)がある

驚異の女性です。特別な政治的な欲や信条は持っておらず、ただただ、フランス国民の自由を勝ち取るために戦ったのです。ナチスドイツに対抗するレジスタンスを援助するために、単身、敵地に潜入。敵はナチス、ヴィシーフランス、ミリス。そして隣人の中には、二重スパイ、三重スパイも潜んでいます。自らと家族がなんとか生き延びるために敵に密告をする住民もいます。本著を読んでみて、第二次世界大戦中のフランスほどスパイが暗躍した時期はないのでは、と改めて思いました。一番面白かったのは「キャメロン一家」をペリグー刑務所からモーザック収容所へ移し、最終的には無事に12人の脱獄を成功させたエピソード。そして、二重スパイのアレシュ神父が登場して、ヴァージニアに迫ってくる。リヨンのレジスタンスグループが次々と検挙されてしまう。ヴァージニアはピレネー山脈を徒歩で超えてスペインへ逃亡する。ナチスやヴィシーにヴァージニアが捕まってしまうのではないかと、それはそれはハラハラ、ドキドキでした。
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