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犬が星見た [本]

武田百合子著

武田百合子全作品-4 昭和44年6月10日からおよそ一ヶ月間のロシア旅行の記録です。泰淳氏と百合子、友人の竹内氏の三人は関西から参加した人たちと一緒に船、シベリア鉄道、飛行機を乗り継いで旅します。ロシアがまだソビエト連邦だった頃の貴重な紀行文です。これを読んだら、ますます百合子さんが好きになりました。見たもの、食べたもの、匂い、土地の空気感、風の音も、、、彼女の体験が読者にジンジン伝わってきます。観察力がある上に文章力が伴っているからこれだけのものが書けるのだなあ。いいなあ。出だしから最後まで筆致がたゆみません。とにかく彼女、どこまでもチャーミングなんです。

旅をしながらロシア語というか、現地の言葉を覚えては使っていく。酒を求めて一人で街へ出かけていく。立ち売りの飲み物、アイスクリーム、ビールを買い、市場を覗いては魚も買うし、絵はがきやバッジのような土産物も買うし、ウズベク帽にいたっては一体全部でいくつ買ったのもやら度々購入している模様。訪れた場所で石ころを拾う。遺跡のかけらを拾う。朝早く一人で外へ散歩に出る。「百合子流の旅」に素直に憧れます。

旅の途中、モスクワで現地に駐在している「松下さん」という方のお宅のご飯にお呼ばれします。この松下さんは、もしかして「子どものモスクワ」「さよならモスクワの小学校」の主人公、松下友子さんのお父さんなのでは、と思います。たしか新書版だった(と思う)、この本が大好きで何度も繰り返し読んだものです。とても懐かしいから今度図書館で探してみることにします。

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房州枇杷

きのうたまたま見つけたので百合子気分でムシャムシャ食べてみました。白ワインにあいます。
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